平成29年4月1日付で、獨協医科大学医学部皮膚科学講座主任教授を拝命いたしました。初代の古谷達孝先生、2代目山崎雙次先生、3代目籏持淳先生に続いて、自分が4代目の主任教授ということになりますが、大きな責任に身が引き締まる思いであります。
私は、平成7年に東京医科歯科大学医学部医学科を卒業し、同大学皮膚科学分野に所属することとなり、以降、一貫して皮膚科学の診療、研究、教育に励んでまいりました。
アトピー性皮膚炎に代表されるような、皮膚のアレルギー・免疫学に興味をもち、入局早々にアレルギー専門外来で多くの患者さんに接することとなり、自然と、研究に関しても、皮膚アレルギー・免疫学を志向することとなりました。東京医科歯科大学大学院を卒業したあとには、ドイツ連邦共和国のボン大学皮膚科に留学する機会を得、その後、東京医科歯科大学、大阪大学に所属して研鑽を積んでまいりました。
さて、現在、科学は大きな進歩を遂げつつ、皮膚科の分野においても、これまでにない詳細な病態形成にかかわるメカニズムが、次々に解明されてきております。さらに、本邦から発信された技術であるiPS細胞を基盤として、再生医療の考え方がさまざまな分野に浸透し、これからの医療がさらに変革されていくことが予想されます。そのような変革の波に飲み込まれて難破してしまわないように、獨協医科大学皮膚科学講座のかじ取りをしっかりとやっていく所存です。
幸い、医局の先生方は、若く、やる気にあふれており、みんなで協力して医局を盛り上げていこうとしていただいております。臨床的には、エーラスダンロス症候群の診断についても、籏持淳名誉教授のご協力を賜り、できうる限り、これまでと同様、務めさせていただこうと考えておりますし、県全体からあつまる多彩な皮膚疾患についても、これまで通り、あるいはこれまでにも増して、診療、治療に努めていこうと考えております。また、栃木県で唯一のアレルギー専門医(皮膚科)研修施設であることを意識して、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹をはじめとしたアレルギー疾患の診療にも力を入れていくつもりです。
しかしながら、なにぶん、若輩者で、まだまだ未熟な身ではございますので、どうぞ、皆さまのご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
【 略歴 】
1995年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業、同大学院医学研究科入学(皮膚科学)
1998年 ボン大学皮膚科Postdoctoral fellow (ドイツ連邦共和国、Thomas Bieber教授)
1999年 東京医科歯科大学大学院卒業(医学博士)
2002年 東京医科歯科大学皮膚科学分野助手
2002年 東京都立墨東病院皮膚科医員
2003年 東京医科歯科大学皮膚科学分野助手
2006年 東京医科歯科大学皮膚科学分野講師
2009年 大阪大学皮膚科学講座講師
2012年 東京医科歯科大学皮膚科 講師
2015年 東京医科歯科大学皮膚科 准教授
2017年 獨協医科大学皮膚科 主任教授
2018年 獨協医科大学アレルギーセンター 副センター長兼任
現在に至る
【 学会 】
日本皮膚科学会 (専門医)
日本アレルギー学会 (専門医、指導医、代議員)
日本感染症学会 (専門医、指導医)
日本研究皮膚科学会 (評議員)
日本皮膚アレルギー学会 (代議員)
日本乾癬学会 (評議員)
国際幹細胞研究会
など